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授業後ルネへ。

水村美苗『本格小説』が新潮文庫から出ていた。
彼女の作品は単行本発売から三年後に文庫化される、というどうでもいい法則を発見していたので、そろそろだとは思っていたが、少し遅れての文庫化。エミリー・ブロンテ『嵐が丘』を読んだのもこの作品のため。この近代日本という「場所」に最も意識的な作家の作品で年末年始を過ごすことになりそう。

ジャン・マルク・ルイサダが講師を務めて一躍ピアノ好きの耳目を集めたNHK教育「スーパーピアノレッスン」の次シリーズの教科書が出ていたのでぱらぱら。講師はロシアの個性派ピアニスト、アレクサンドル・トラーゼ。テーマは大曲を弾くということで、なんとプロコフィエフのピアノ・ソナタ第7番『戦争ソナタ』が入っていた。ソ連でショスタコーヴィッチとともに二大巨頭をなしていたプロコフィエフはピアノ作品に傑作が多くて、WWII中に作られた三曲の『戦争ソナタ』は全ピアノ曲の中でも特にお気に入りの作品。三曲とも終楽章で爆発するのが聴き所。(ストラヴィンスキーの時にも触れたポリーニによる名演がここで聴ける。)彼とゲルギエフによるプロコフィエフのピアノ協奏曲全集は良かったので(特に第4番・第5番)、どういう解釈を披露してくれるのか楽しみだ。


昨日、M嶋に松茸狩り@大文字山のお誘いを受けていたので集合場所の射場へ。
大文字山には一回生のとき真剣に松茸目的で登って以来、(松茸狩りは有名無実化したものの)毎年登っている。参加者は三回がM嶋・前主将・S訪、二回がK村、一回がN村・K藤。
同じ学部のK藤が来ていたので、前から気になっていたことを聞いてみる。

わたし「専門の履修登録っていつか知ってる?」
K藤「・・・」
わたし「今年遅いから心配なんよね。」
K藤「・・・いつか思い出せないくらい前に終わりましたよ。」

世界が色褪せていった。

まさに目も眩むような絶望感に打ちひしがれる。

んなあーほーなー。


「そんなときこそ山に登りましょう」という前主将の無責任なお言葉で現実逃避モードがONになったので、以前より大文字山登山を希望していたH木嬢も呼びつけて登ることに。

観光客で溢れかえる銀閣寺のまん前を左折し、大文字山へ。
30分ほどで大文字に到着。

ちょうど夕日が沈むところだった。空、山々、街並の美しさ。
何度来てもここからの眺めは素晴らしい。

H木嬢が「山頂まで行きたい」とのたまった結果、夜の山道を20分ほどかけて標準点に到着。


大文字に戻ったころには完全に夜景になっていた。

碁盤目状の夜景の素晴らしさの1/100もこの写真では伝えられないので、是非実地に行かれることをおすすめします。

ビタミンAをちゃんと採ってきたことにほっとしつつ、下山。


H木嬢と会合。


年末ジャンボが当たって薔薇色の余生を送る妄想をしながら、眠れぬ夜を過ごす。
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(2005/11/30(水) 23:59)

 しないほうがいいのですが
起床時は、今日も図書館でCD三昧、帰宅後は映画三昧としゃれ込もう、と意気込んでいたのですが、コタツという物はいけませんな。
一日ごろごろ。

ハーマン・メルヴィル『バートルビー』を読了。
『白鯨』で有名なメルヴィルの問題作。語り手の経営する法律事務所が代書人として採用した謎の若者バートルビーを巡る、カフカを先取るような不条理の世界。筋だけでいくととても怖い話なのだが、バートルビーの口癖「ほうがいい」が事務所内に伝染したり、平穏を愛する語り手がバートルビーという未知の存在に翻弄されて宗教がかってくるところなど、ユーモアがキマって、さらには「何もしない」バートルビーへの作者の暖かい目も感じられて、とても不思議な読後感だった。
…というか、ジョルジョ・アガンベン『バートルビー ― 偶然性について』に新訳として出ていたのを発見して、「幻の作品『バートルビー』が新訳で復活か!」と飛びついたのが二ヶ月ほど前。『バートルビー』自体はすぐに読み終わったのだが、アガンベンの潜勢力についての論文が、アリストテレスを全然知らないのでわけわかめ。積読にしていたところ、最近岩波文庫で重版がかかった「メルヴィル『幽霊船 他1篇』」の「他1篇」が『バートルビー』だったことが判明。高いの買った意味ないじゃん。もうアガンベンを読む気がしないので、ここで書いとこうかと。『白鯨』の新訳といい村井弦斎『食道楽』ミシェル・ビュトール『心変わり』とか最近の岩波は頑張ってるよなぁ。


…というわけで実は何もなかった一日。
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(2005/11/29(火) 23:59)

 ワルシャワの秋
授業後、図書館で読書…のはずが、読んでいた本が書架に見つからない。
誰か借りやがった。(←ばか)


しょうがないので、初めて付属図書館の三階に上がる。
メディア・コモンへ。
クラシック中心に4800余枚ものCDがあって壮観。作曲者・演奏者はポピュラーなものが中心だが、現代音楽はなかなかの品揃い。(とはいえ大枚はたいて買ったのが普通においてあるのには複雑な気分…)もっと早く来ればよかった。全面ガラス張りになっている東側の壁に向かう試聴スペースで、学内の風景を眺めつつつまみ食い鑑賞。
以下、特に印象に残ったもの。

・エミール・ギレリス(Pf)『ベートーヴェン/ハンマークラヴィーア』(Melodiya)
ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第29番『ハンマークラヴィーア』といえば、『ディアベリ変奏曲』とともに彼の器楽曲中最も規模が大きいものの一つで、恥ずかしながら『ディアベリ』はまだその良さがよくわからないのだが、『ハンマークラヴィーア』はどの楽章も素晴らしくてピアノ・ソナタ第32番と並んで彼の作品の中ではお気に入り。ギレリスの演奏はテンポ指定からははるかに遅いものの(作曲者による殺人的なテンポ指定でも有名なのである)、重厚かつ歌心もあって皮肉でもなんでもなく「巨匠」的な演奏だった。第4楽章の長大なフーガが特に好きで、この演奏も構造がはっきりしていて大変よかったのだが、いつか高速かつ明晰な演奏が聴いてみたいところ。(最近良いと思ったのは中国のMei-Ting Sunというピアニストによるライブ録音で、11分を切る快演だったのだが、HPで公開していたのが、今は見られなくなってしまった orz)

・アナトリー・ヴェデルニコフ(Pf)『20世紀ロシアのピアノ音楽』
大好きなショスタコーヴィッチ『ピアノ・ソナタ第1番』とリゲティの練習曲第1巻から第4番『ファンファーレ』・第5番『虹』・第6番『ワルシャワの秋』が入っていたので聴いてみる。ショスタコーヴィッチはダイナミックレンジが広くて不協和音が高らかに響くのは好みだが、上原彩子のチャイコフスキー・コンクールでの完璧にコントロールされた名演を聴き慣れた耳にはちょっと荒すぎる。リゲティはエマールのSONY録音のような浮遊感のあるものではなく、ゆっくりしたところはロマン派のような表情付け。『ワルシャワの秋』ラストの最低音へ雪崩れ落ちていく箇所での大爆発を期待していたのだけど、苦しそう。まあ最晩年のライヴ録音ということで、多少の粗には目をつぶらなくては駄目なのかな。

・ピエール=ロラン・エマール(Pf)ほか『ドナトーニ、リゲティ作品集』(ERATO)
リゲティの練習曲を第1巻のみ収録。SONYでの録音よりかなり遡るはずだが、若い!! 残響がないのでSONY盤のような浮遊感はないのが気にならない位の熱演。練習曲中でも特に大好きな第1番『無秩序』もはじけるようなテンポで始まり、どんどん複雑になっていくにつれ多少テンポが下がるのが残念だが、ウーレンのような小崩壊もなく弾ききっている。『ワルシャワの秋』ラストも大満足。
(ちなみに『無秩序』のSONY録音は↓の「Gyorgy Ligeti, Desordre」で聴ける。
ttp://cnx.rice.edu/content/m11631/latest/)


帰宅後、K島嬢と会合(H木嬢は病欠)。
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(2005/11/28(月) 23:59)

 Cheese Temple
紅葉狩り。


今年の紅葉は微妙だとはいえ、全国津々浦々からの観光客で京都はどこもかしこも混雑しているわけなんですが、よりによってこの時期に両親が遊びに来ました。
しかも「渋滞には巻き込まれたくない」と仰せになられる。
というわけで京都市内には入らず、山科は醍醐寺に行ってきました。
醍醐寺といえば桜ですが、やはり世界遺産ということもあってか、たくさんの観光客でごった返しておりました。境内は大きく上醍醐、伽藍、三宝院、霊宝館に分かれているのですが、上醍醐は山を上らないといけないということで残りの三箇所をまわることに。

伽藍へ。

紅葉はこんな感じで微妙でしたが、建物は京都最古の建築物である五重塔に、おおらかな印象の金堂と観るべきものがありました。
五重塔

続いて塔頭の三宝院。
浜田泰介という日本画家によって障壁画が描かれていましたが、けばけばしい色使いに、お土産用の絵葉書も真っ青になるような意匠が続いて、本当にがっかりでした。安土桃山の濃絵も当時の人にしてみれば相当悪趣味なものだったのでしょうし、百年たてば古色もついて多少見られるものにはなるのかもなとは思いましたが、やはりこのような弛緩した絵で名建築を飾ることは犯罪的ではないでしょうか。
それはともかく庭はたいへん楽しかったです。

二条城と同様、名石をこれでもかとばかりに使った華やかな庭で、枯山水から島を配した流水部、苔に覆われた木々と変化に富んで飽きさせません。

霊宝館で開催中の「世界遺産醍醐寺展 祈りと美の伝承−諸院家の宝物」へ。

絵因果経が素晴らしかったです。絵は下段の経文部に比べて素朴ではありますが、天平時代に描かれたままの鮮やかさで観られることに感動。同種の断簡が多くある中、唯一の完本として15メートル近くが残っているのですが、その内の半分ほどをじっくりみることができました。仏画も多くありましたが、その中でも地蔵菩薩像が出色。鎌倉期の絵画、仏画・頂相・似絵の傑作に共通する精緻さ冷徹さがたまりません。


次に石山寺へ。

紅葉はこちらの方が遥かに見ものでした。
でもそれよりも衝撃だったのは石山が本当に「石」の「山」であったこと。

いたるところで奇岩が露出していましたが、多宝塔を頂いた巨岩には度肝を抜かれました。いや、本当に凄かったです。


石山寺駅から電車で帰宅。

朝青龍が年間完全制覇を84勝で達成した。
スポーツにおいては、ヒョードル×ミルコ戦と朝青龍の年間完全制覇を待ち望んでいたので、スポーツに関しては実り多い一年だったということになりそうだ(イチロー4割というのは流石に無理だったが…)。来年は双葉山の持つ59連勝を是非更新してもらいたいものだ^^
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(2005/11/27(日) 23:59)

 再臨のキリスト
NFの映画祭典でフィルム上映があるとのことで中央キャンパスへ。
フェデリコ・フェリーニ『道』

フィルムの回る音が心地よい。


例年は浅田彰×柄谷行人とか蓮實重彦×中原昌也といった豪華な対談の告知を見て、指をくわえて試合へ行っていたのだが、今年は当方たいへん暇にも関わらず、映画関係以外は特に惹かれる企画がなかった。
又吉イエス氏の講演以外は。
S辻、とへと合流して日本最強の泡沫候補再臨のキリストこと又吉イエス氏の講演会へ。
開始10分前に大入り満員
Y野谷、K島、Kつらといった一回生に、OB2回のM田さんも現れる。
Y野谷はトイレで又吉氏と邂逅したらしい。
13時。講演会場は立ち見が教室内に入れない程の盛況。
前夜祭でカエルをさばいていた御仁が、ちょっと不似合いなスーツ姿で挨拶。
500部ほど刷ったポスターは売り切れたらしい。
そして又吉氏が何故か教室後方から登場。

講演開始。

至って自然に「唯一神、又吉イエスです」と名乗って会場拍手喝采大爆笑。
個人的には、いくら奇想天外に思えることを言っていても、本人は自分の信念を発しているわけだから、笑われたら気分を害するのではないだろうか、「地獄の火の中に叩きこむ」者たちとして我々が糾弾されるとしたら、いくらなんでも気分悪いし…と思っていたので、又吉氏が激怒されたらどうしようと一人気をもんだのだが、至って闊達に話し続ける。
・人類愛については2000年前にも聖書に書かせた。
・貴方がたには才能をタダで与えています(だからガンバレの意)。
いろんな箇所で笑いと喝采が起きるのだが、シュールなジョークも軽く交えるので次第にジョークなのか本気なのかの境目が分からなくなり、会場も静まり返る時間が長めに(携帯による撮影の音はずっと鳴り続けたが)。だんだんこの場にいることがいたたまれないような気もしてくる。空腹もありS辻といったん退席。

H松嬢所属の軽音サークルの出店で焼きソバをほおばり、うろうろする。
その間も、とへから着々と実況メール。それによると、
・マルクスとエンゲルスは既に地獄の火の中に叩き込んだ。
・資本主義から唯一神又吉イエス主義にならなければならない。
・私が議員になれば、テロリストと直接交渉して、改心させることができる。
などなど。

終わりの頃に再び戻る。
質疑応答の時間になっていたが、「腹を切って死ぬべき」 との主張は自殺を認めるものであり、自殺を認めなかった初降臨時と齟齬があるのでは?との質問には笑った。又吉氏も武士道などを持ち出しつつ語るが、納得いくようなものではなかったのはご愛嬌。むしろ場の空気を読まない宗教論争をふっかけるようなヤツがいなくてよかった。
講演終了後に撮影と握手タイム。又吉氏は女性とは握手できない、ということで女性の希望者には奥様に対応をさせていた。講演を通して感じられた人柄は実直そのもので、政策が極端とはいえ唯一神を名乗らなければ地方議会議員の選挙などは楽勝のはず。それでもなお唯一神を名乗り続けること。笑われようが、白眼視されようが、唯一神として戦い続けること。それを支えているのは他でもない、彼にとっての創造物である我々への愛であり、それを考えると彼が神であるないに関わらず応援したくなる。

ということでS辻に写真を撮ってもらう。

やはりS辻のカメラでその神々しい姿をとらえることは難しかったようだ…
いつの間にか少しふくよかになっている自分に少し萎える orz

S辻と別れた後、とへと射場へ。

うん、違和感ない。


後はダイジェスト。

亀田興毅×ノエル・アランブレット戦。勿論亀田が強いのは分かるが、今回は(今回も?)相手が弱かった。早く世界戦が観たいところ。

K島嬢・H木嬢と会合。S根氏襲来。九条家領であった、前代未聞の五週連続自殺発生があった、という熊取町情報が拙宅の蔵書により判明。
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(2005/11/26(土) 23:59)

 X793621
今日はNFなんぞ行かずに京博に行って寸松庵色紙も継色紙も本阿弥切も佐竹本三十六歌仙絵も観てやるぜ!! しかるのちに東本願寺でイチョウを愛でてやるぞゴルァ!!
と意気込んでいたのですが、コタツという物はいけませんな。
一日ごろごろ。

晩にヒゲから突然のメール。

subject:こんばんみ
最近どうでちゅか???たのちいでちゅか

返信でFour letter wordを送ったところ、即ヒゲから訂正とお詫びのメール。

subject:Re2:こんばんみ
本当にすいません、いまのは酔ったとめたが勝手に送りましたです。
のぞむところだbyとめた、だそうです。

はははは は  は


フリッツ・ラング『暗黒街の弾痕』


テリー・ギリアム『ジャバーウォッキー』

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(2005/11/25(金) 23:59)

 道徳をよそおうことが道徳
ひやかしで昨日パフェ代を払うのを忘れてしまったので、K島嬢が研究発表をしているNF真最中の学校へ。院試直前のそーすい。閣下を「気分転換にどうすか?」とお誘いし、H木嬢、偶然通りかかったとめたと襲撃する。
不在… orz

とりあえず写真だけ撮って解散。
巻き込んでしまった皆様、本当に申し訳ございません。


図書館で読書。

阿部公房『壁』を読了。
三部に分かれているうち、第一部の『S・カルマ氏の犯罪』が読んでて本当にしんどかった。シュールのつもりなのかユーモアのつもりなのかは知らないが、ただひたすらスベっていて、真面目な箇所に来ても白けてしまう。人からの借り物だし読まなきゃまずいわなぁ、と嘆きながら読んでいると、第二部『バベルの塔の狸』がまあまあで、四つの短編からなる第三部『赤い繭』は普通に面白かった。『事業』は、20世紀版スウィフト『アイルランドにおける貧民の子女が、その両親ならびに国家にとっての重荷となることを防止し、かつ社会に対して有用ならしめんとする方法についての私案』という感じ。

石川九楊『中国書史』を図版だけぱらぱら見る。
特に素晴らしいと思ったのは、

中山王■方壺(字がわからない…)

金農『昔邪之廬詩』(部分)
金農『題昔邪之廬壁上』(部分)
といったところ。中山王■方壺は初めて見たが、グロテスクなものが多い金文のなかで非常に均整の取れた長脚体が抜きん出ていた。金農はもともと好きな書家だが、じっくり見て改めて感じ入った。無限折法などはまだ詳しくわからないが、『昔邪之廬詩』の「ガリ版風」の書きぶりは石川自身にも大きく影響を与えているのは分かる。ちゃんと読んでいきたいところ。


帰宅。

からくり儀右衛門こと田中久重と言えば、演出として失敗までする弓曳童子や、和時計の最高傑作である万年時計などで有名なからくり師だが(東芝の創始者と言ったほうが早いのかも)、彼の幻の作品であった文字書き人形が去年発見された。その時は稼動できず、どんな文字を書くかも不明だったのだが、とうとう修復が終わったようで、その稼動の様子が放映されていた。
田中久重『文字書き人形』
これが凄い。自ら硯に筆を浸すと目の前の紙にさらさら。見事「寿」の字を書いた。他にも「松」「竹」「梅」を書く他、絵まで描くらしい。動力源はゼンマイだけなのによくもまぁここまで複雑な動きができるものだ。


ヴェルナー・ヘルツォーク『アギーレ 神の怒り』

ピサロ探検隊から離脱し、アマゾン川を下る一行の運命。『フィツカラルド』ほど大きな見せ場はないが(とはいえラストのクモザルに覆われたいかだの場面は素晴らしい)、密林の放つ不気味な雰囲気が全体を支配している。キンスキーも『フィツカラルド』程激しくはないが、内に秘めた情念が漏れ出すような演技。にしてもヘルツォークの作品を観ていると、撮影の困難さがその物語とだぶってドキュメンタリーを観ているような気になってしまう。

ヴェルナー・ヘルツォーク『キンスキー、我が最愛の敵』

いきなり冒頭でキリストになりきったキンスキーが爆発するシーンから始まって、キンスキーの狂気とその裏に秘めた人間性に迫る…という流れ。握手のあとには手を消毒し、動物に触れるのを極端に嫌がる潔癖症で、常に自分が関心の中心にいないと気がすまないエゴイストで、自分の狂気を演出するしたたかさも持っている、女性に対してはシャイでロマンチスト、という特異な人間像が印象的だった。が、観ているうちに思う。「一番オカシイのはヘルツォークでは?」
「キンスキーは私を狂っていると言うが、私は正常だ。ただ、一度キンスキーの殺害計画を立てたことがある。彼のシェパードに邪魔されて実行できなかったが。(大意)」
「(キンスキーの横暴ぶりにキレたエキストラの原住民が殺害を持ちかけたのに対して)映画撮影には必要だから残しといてくれ。(大意)」
「(アマゾンの撮影現場から逃げ出そうとするキンスキーに対して)今は銃を持っていないが、必ず見つけてお前に8発撃ち込む。そして1発私に撃ち込む(大意)」
などとさらっと振り返るヘルツォークがとても怖い、素晴らしいドキュメンタリー。
ジェイソン・ロバーツとミック・ジャガー(!)が主役をつとめていた版の『フィツカラルド』も一部収録されているのだが、教会の鐘楼で「オペラハウス!!」と叫びながら鐘を乱打するシーンを見比べてみて、やはりキンスキーなくしてあの名作は無かったな、と感じた次第。
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(2005/11/24(木) 23:59)

 15本
今から13年前の今日、風船おじさんは大空に旅立ったのだなぁ。
そして私のこの一日はまたもぐだぐだに終わっていくのだなぁ。
と、コタツに埋もれてぐだぐだしていると、大津射場でDXジュリーをしていたK島嬢から、キャッツカフェでのパフェ代を集金に来るとのお達し。
万年床を片付け、久しぶりに部屋の掃除をする。

出町王将で晩飯。
ジャストタイミングでテレビに店の特集が。
おやっさんも嬉しそう。

腹も満たして待機しているところを、K島嬢のみならず、Tくだ嬢・H木嬢三人に襲撃さる。
Tくだ嬢が腹減った腹減ったとおっしゃるのでほんやら洞へ。
明らかに店の雰囲気にそぐわなかったが、メニューにあったのでソルティードッグを舐めつつ、談笑。帰宅後もいろいろ話に花咲く。


映画タウンへ。
休日サービスということで、1000円以上の代金はチケットで代替可能とのこと。
先客のお方は116枚のチケットを使って、段ボール一箱借りていかれた。
当方は四本借りると一本無料の学生サービスも合わせて、

こんなことになっちゃいましたよ。
しばらく映画漬けの日々。


そういえば、25日にグリーナウェイ『コックと泥棒、その妻と愛人』のDVDが980円という超廉価で再発売されるので、凡百の映画に飽き飽きしている方は是非ご購入あれ。
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(2005/11/23(水) 23:59)

 やきはばたん
授業後、前夜祭へ。
うちの一回生は「やきはばたん」という、なんとも不謹慎な店名で焼き鳥を売っていた。
揃いのTシャツまで作っていて射撃関係者にはウケるかもしれない。
久しぶりに会う面々と話し、教官酒場の振舞い酒を呑みつつ、うろうろしていると

蛙が売ってた。
しかもやっているのは今回の学園祭最大の目玉である唯一ネ申招致の主催者たち。
大阪・日本橋の中華料理屋を四往復してしいれた食用蛙らしい。
店先で解体していて、まだ足をひくつかせる解体済み蛙が店頭に飾られている。
とりあえず注文してみた。
丸揚げ
とへ・D口・Y本さんと食す。
美味い。
鶏肉をヘルシーにした感じで、モモ肉などは絶品だった。
普通に調理した場合は一体どうなってしまうのか。


例年にない三柱キャンプファイヤーも火勢が衰え、とへ・K寺・N野という懐かしい面子でルネへ。院に受かってしまったK寺が先導してパフェを食う。とりあえず自分はきしめんを食う。


K門嬢宅での飲み会に途中参加。
皆荒んでいた。
同年代の子女はこういうものなのだろうか。
根が楽天なので(自己評価)、ともに荒ぶこともできないうちに、弟子に襲われる。制圧しても制圧しても立ち上がってきて、このままでは本当に極めてしまいそうだったので、こっそり帰る。
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(2005/11/22(火) 23:59)

 無為自然
鼻風邪はクスリで即快復。
しかし副作用?で寝坊。
特にすることもなく、ブログをちょこちょこ更新したり、音楽聴いたり、一日呆ける。
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(2005/11/21(月) 23:59)

 三帝戦終了、聖地巡礼
三帝戦二日目。

起床。
鼻風邪を引いてしまったらしく、洟が止まらない。

射場にいってもおさまらないので、車内で休む。

そうこうしているうちに大会終了。
まだ昼なので名古屋で聖地巡礼をしようという流れに。
選択肢は「山に登るか」「猫とたわむれるか」「カツ爆発するか」の三択。
自分は三ヶ所とも巡礼済みなのだが、マウンテンとキャッツカフェには新メニューが登場し、今年唯一の年賀状を下さったパセリは新装開店と、前回巡礼時より大きな変化があった旨を風の噂で聞き及んでいたので、参加することに。
結局ハシゴは体力的に不可能であろうということで、二手に分かれる。自分とK島嬢・H松嬢は猫とたわむれ、H木嬢と弟子は山に登ることに。


名大I泉・名城H川とともに闘いへ。

阪大先発隊の苦闘を横目に注文。
一時間後、ついに登場。
新メニュー「アンビリーバブル」
遠近法が崩れる程のデカさ。
後ろの石膏像もあいまってデ・キリコを彷彿させる。
五人がかりで挑戦。

そして自分には
「ネバーギブアップ」
去年とへが儚く散った敵に果敢に挑戦。
ギブアップ
アイスの層が分厚く、冷たいのと甘ったるいのとで吐き気がする。身体が危険を察知したのか鼻風邪が悪化。半分も手をつけることなく車中に避難。
見事に株を下げるだけの結果となった。

ちなみにマウンテンでは、
新メニュー「おぐら丼」
に弟子が挑戦。ご丁寧に飯までもイチゴ味にされた難敵に見事打ち勝ったとのこと。


京都へ。
道中、マクドのドライブスルーにて大量のフライドポテトを購入。
ああ。塩。この素晴らしきもの。
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(2005/11/20(日) 23:59)

 冬三帝初日
三帝戦初日。

3時京都発、8時下山射場着。
寒すぎ。
一回転目はH松嬢に教習銃を出したが、足はがくがく、歯はがちがち。
三回転目に最後の射撃を行うも、ボロボロで374という結果。
結局九割五分の壁を破ることはできなかった。
ちなみに最終弾は8 orz

その後は暖かい審査室でいろいろ兼任ジュリーとして居座る。
SB回転で試射的に改竄を重ねた某射手を失格処分にしたりと、愉快であった。
O崎


宿へ。
中部の射撃関係者には有名らしいかじか苑。
入口に猛禽類×2がいたのには驚いた。


バスで三帝コンパ会場へ。
会場の鍵が開いておらず、寒風吹きすさぶ中30分近く待たされることに。
幹部連中の姿は消え、説明もなく、少しイライラ。
とりあえず管理人らしき人間が現れて、開館。

今回は国公立戦での平和ぶりを危惧したOBが多数集結。複数のBIG MANが投入された結果、例年通りの酒羅場が繰り広げられた。

一発芸。K森は技のキレを増して、見事なK森ワールドを展開。KつらはOCN光体操NO.1という高難度の技を決め、ひたすらごまかし続けるK藤との微妙なズレもあいまって爆笑を誘っていた。他には阪大N坂のナース姿に多くのカメラが群がっていた。

二次会は宿に戻って行われたのだが、宿が二ヶ所に分断されたため、かじか苑は静か。
他の四回生とK-1 WORLD GPを途中から観戦。
いつの間にかレ・バンナもセフォーもカラエフも初戦敗退しているのに驚く。しかもアーツ負傷でフェイトーザがリザーバーとして出場、決勝出場まで果たすとは笑うしかない。とりあえず、シュルトは前蹴りと正拳を愚直なまでに使って遠距離戦に持ち込んでいたのが、膝を駆使することによって至近距離にも強くなっていて、まぁ肉体的タフネスを加味すれば優勝もアリなのかなあ。なんにせよ、1日3試合という超過酷な設定はいいかげんにやめたらいいのにね。

名大部屋で寝ていたらO崎に襲われたので、京大の雑魚寝部屋に逃げて寝る。
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(2005/11/19(土) 23:59)

 イデアの森
『10ミニッツオールダー 人生のメビウス』 残りの作品

・ヴェルナー・ヘルツォーク『失われた一万年』
・ジム・ジャームッシュ『女優のブレイクタイム』
・スパイク・リー『ゴアVSブッシュ』

『10ミニッツオールダー イデアの森』

・ベルナルド・ベルトリッチ『水の寓話』
・マイク・フィギス『時代×4』
・イジー・メンツェル『老優の一瞬』
・イシュトヴァン・サボー『10分後』
・クレール・ドゥニ『ジャン=リュック・ナンシーとの対話』
・フォルカー・シュレンドルフ『啓示されし者』
・マイケル・ラドフォード『星に魅せられて』
・ジャン=リュック・ゴダール『時間の闇の中で』
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(2005/11/18(金) 23:59)

 証拠は俺が見てきたことだ
授業後、図書館にこもってみる。
石川九楊や蓮實重彦『映画狂人シリーズ』をぱらぱらと。
石川九楊『書の終焉―近代書史論』には副島種臣『積翠堂』『洗心亭』の書きぶりの細かい分析があった。彼の分析を読むと、書家の製作を追体験できるので、またゆっくり読んでみたい。蓮實の映画関係の文は、まず読んでも監督名・作品名がさっぱりで歯が立たない状態だったのだが、今読むとそこそこ分かるようになっていてちょっと嬉しい。


ジョン・フォード『わが谷は緑なりき』

アメリカではなくイギリスはウェールズの炭鉱夫一家を中心に、古き良き素朴な共同体が近代の進入で崩壊していく様を、語り手の心に永遠に残る姿として回想していく。牧歌的な共同体の美しさだけではなく、ストライキ中の人々の村八分や、助祭による閉鎖的な弾劾集会など、集団心理の醜さも暴くが、基調として人間愛に貫かれている。凡百の監督がこれに手を出すと胡散臭くなるのに、フォードの手にかかると見事な人間賛歌になる。上のシーンなどは、事故で歩けなくなっていた主人公が百合の花の中を牧師の励ましでよろよろ歩く、という言ってしまえばコテコテなシチュエーションなのだが、月並みのノスタルジーに寄りかかるのではなくて実際に喪失した当事者として取り組む様がこちらに伝わってくるからだろうか。

ヴェルナー・ヘルツォーク『フィツカラルド』
狂気。主演のクラウス・キンスキーの眼がたまらない。野獣のようなオーラをしょっぱなからプンプンさせている。
だが、本当に狂気を感じるのは監督ヘルツォークに対して。『地獄の黙示録』を思わせる暗鬱な雰囲気もさることながら、蒸気船に山を越えさせるという、まさにこの山場が執拗に映されていくのにはドキュメンタリーを見ているような気にさせられて、いったいこの監督は何を思ってアマゾンの奥地で実写を行ったのか理解に苦しむ(褒めてる)。ポンゴの淵にもまれる箇所やラストの水上オペラも感動的だが、とにかくこのシーンだけでも観るべき。
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(2005/11/17(木) 23:59)

 魔の矢
昼休みに地下教室からお天道さまの下に出たところをK島嬢・Y野谷・K山嬢に捕まる。
流れでNF前夜祭の焼きはばたん(何人わかるのやら…)チケットを3セット購入。
ここでK島嬢は1セットしか買ってなかったことを暴露。
商魂たくましい後輩たちだ… orz


比較政治学の教科書が非常に面白いので図書館で読書。
休憩中のそーすい。閣下、F谷先生にチケットを1セット購入して頂く。
うろうろしていると、当然といえば当然なのだが蔵書の多さに圧倒される。
家にいると、飯、映画、寝る、なので、図書館にこもるのもいいかもしれない。

旧字旧かなの選集があったので、ついつい石川淳『紫苑物語』を読了。
夷斎筆談の初版本がかなり難解だったので、小説の方もややこしいのかと思っていたら、かなり良かった。個人的に抱いていた伝奇小説のイメージにぴったりはまって一気に読み終えてしまった。歌の申し子であった宗頼が、その暗い情念に導かれるかのように弓の道にのめり込み、天に唾吐く殺戮者へ変貌していく話なのだが、妖しの者との淫靡な関係や、もう一人の自分と直感した平太との対峙、と非常に濃い。そして磨崖仏との対決と部下の謀反が重なる終盤のテンションは凄まじい。視覚にうったえる情景描写が見事にきまって、爽快な読後感だった。


FBIが未発見盗難美術品トップ10を発表していた。
お粗末な警備で話題になったムンク『叫び』の盗難は知っていたが、ベンベヌート・チェッリーニの塩入れがウイーン美術史美術館から盗まれていたのは知らなかった。マニエリスムを代表する彫刻家、金工家の代表作として「こんなんを塩入れにして飯を食うヤツの気が知れん」と図版を眺めていただけに、大変驚いた。盗人は売りさばく前に使ってみたりしたのだろうか?

FBIによると時価5500万ドルとのこと。
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(2005/11/16(水) 23:59)

 ブッシュ入洛
登校途中の賀茂大橋には装甲車がずらり。

昼休みにルネへ向かっていたら、正門前に止まっていた街宣車で演説が始まった。日の丸を掲げているのでどうも右翼のようだ。よりによってウチに乗り込んでくるとは肝が据わっている。クスノキの前には全学連かどこかの「打倒ブッシュ」な巨大看板がたっているので、彼らがブチ壊したら面白いのになぁ、とクスノキ下で見物。ビラを見てみると一水会の三文字。をを。演説中の男の顔もどこかで見た覚えが。民族派の大物、木村三浩だった。パッと見た感じ一般人との区別がつかない風貌ながら、強烈な檄をとばしていた。

ルネへ。
だいぶ前に紹介した生協の白石さんのひとことカードが本になっていたので立ち読み。題名も『生協の白石さん』。東京農工大の学生のトリッキーな質問に実に上手な答えを出してくるのには感心することしきり。でも、活字ではなくひとことカードのまま掲載してほしかったかな。

24時。
映画タウンへいくのに御所の真横、寺町通を通ってみる。
車は通り抜けできないようになっていて、御所の門は装甲車で封鎖。
東西の通りもそれぞれに警官が張り付いていて、ここにはおらんだろうと高をくくってかなり細い路地で河原町に抜けてみたところ、そこにも警官が。
皇族の結婚という、おそらく今年一番警官が必要なときにブッシュ来訪がかぶるとは、ホントご苦労さんです。

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(2005/11/15(火) 23:59)

 音盤五題
試合前後の散財で色々CDがたまっていたので、まとめて聴く。

ステファン・フッソング(Accordion)『タンゴ幻想』(DENON)

先日聴いたイギリス組曲がよかったので、一番手に入りやすい本盤を即注文。初っ端のピアソラ『リベルタンゴ』が2分に満たない演奏ながら、一人とは思えない声部の弾き分けを見せていて、まさにワンマンバンド。目当てのティエンスー『ファンタンゴ』は大井浩明のチェンバロで聴いて印象に残っているのだが、大井が肘で弾いていた不協和音がアコーディオンでも豪快に響いていて気持ちいい。他には曲自体が鏡像を作っていて、途中から巻き戻しが始まるクラインの作品などが面白かった。勿論フッソングの技術には文句のつけようがない。

野平一郎(Pf)ほか『松平頼則作品集』(NAXOS)

雅楽と現代音楽を結びつけた作風が特徴の作曲家、松平頼則(水戸徳川家の血を引いているらしい)。越天楽を主題とした『ピアノとオーケストラのための主題と変奏』には12音列やらブギウギやらが出てくるということで期待していたのだが、野平一郎のピアノがヌルくて楽しめず。

ピエール=ローラン・エマール(Pf)ほか『アフリカン・リズム』(Teldec)

リゲティやライヒの作品とともに彼らが影響を受けたアフリカ音楽を並べる。リゲティによる『ピアノのための練習曲 第16〜18番』が目当てだったので、抱き合わせ販売のような印象を持ってしまう、さもしい私。肝心のエマールは響きに神経をいきわたらせた演奏。もうちょっとスピード感が欲しい気もするが、この響きの美しさは消えてしまうだろう。作品自体は少し同工異曲の様相を呈してきた感があるが、やはりこの浮遊するような雰囲気は堪えられない。2001年から続編の作曲が止まっているようなので老体に鞭打ってでも頑張れ。

ゲオルク・フリードリヒ・シェンク(Pf)
『ベートーヴェン ピアノ・ソナタ第5,15,21&25番』(WARNER)

KYUSHIMA氏曰く「個人的にはこれを超える演奏はちょっとないのではないかと思うほどの出来」らしいソナタ第5番が目当て。とても若々しい演奏で、ご老体の重厚な演奏を多く聞いてきた耳にはとても新鮮。第15番の第1楽章など、そこまでしていいの?というところもあったが、これは慣れていけると思う。とはいいながら第15番はグレゴリー・ソコロフの上手さを再認識した。

高橋アキ(Pf)&ASKOアンサンブル『LIVE1 Ianis Xenakis』(ATACCA)

クセナキスによるピアノと金管五重奏のための作品『エオンタ』の決定盤と言われながらも、入手困難でずっと探していたもの。とうとう手に入れた!!
兄の高橋悠治盤に比べるとライヴ録音ということでピアノが金管に埋もれるところもあるが、難曲弾いてます!という悠治盤に比べて難しさを少しも感じさせない演奏なのが凄い。迫力ある金管もあって、初めて曲自体を楽しむことができたと思う。
今のところ作品・演奏ともに素晴らしいと思うクセナキスの演奏は(器楽中心)
・今回の高橋アキとASKOアンサンブルによる『エオンタ』
・高橋アキによる『ヘルマ』(mode)
大井浩明、井上道義、新日本フィルハーモニー交響楽団による『シナファイ』
といったところか。大井浩明も確か『エオンタ』や他の器楽曲の録音予定が今月だったはずだが、どんな出来になるのだろうか。高橋アキの諸録音は手強いぞぉ。
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(2005/11/14(月) 23:59)

 不朽戦最終日
第30回全関西学生ライフル射撃新人戦及び第30回全関西学生ライフル射撃不朽戦及び第1回秋季全関西三姿勢戦最終日

原D、朝帰り。

宿でゆっくり朝食をとる。
なにか倒錯した喜びがある。

いよいよ学連回転。
代々ルールに触れない範囲で(?)やりたい放題やってきたわけだ。
今回は射場が射場なので、おとなしめ、裏を返せば陰湿。
まずK島嬢は用具検査に教習者のコートを着て登場、昨日は自分のコートだったのでこれはルールに抵触する。しかしスルー。あとで本人が指摘して再検査に。
K瀧は加工した頭を隠すべく、木乃伊化して登場。違った意味でスルー。

試射的を弾痕で切断して、新しい試射的を要求する計画。
のはずが後ろのK瀧が予想外の行動に。

寄せ過ぎ。しかもこの写真を撮る際にフラッシュをたいてしまう。
                          orz
開始後もK瀧の奇行は止まず、奇声・呼びかけはもちろんのこと
・こちらの的に撃ちこむこと(気付いて申告したのが)二回
・後ろで卑猥な言葉を連呼
・首筋に息を吹きかける
・撃った標的をこちらの机に置く
・構えてるところを横からガン見
さらに酷いこともして流石に頭にきた。
肝心の試射的切断計画は当方の腕が未熟で三十分やっても全然駄目だったので断念。
意味も無く試射的を裏返して送ってみたくらい。

回転終了後、射撃人生初の始末書を新主将に書いてもらうことに。
情けない事この上ない…

大会終了。

閉会式については何も言うまい。

そして学連として最後の挨拶。
例年熱いのが涙を誘うので、高校生風にやったら笑われた。
器が足りなかったようだ。

まぁ、そんな四年間だったってことだ。
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(2005/11/13(日) 23:59)

 不朽戦二日目
第30回全関西学生ライフル射撃新人戦及び第30回全関西学生ライフル射撃不朽戦及び第1回秋季全関西三姿勢戦を振り返る。

12日早朝出発の予定が、大会初日に色々問題があったらしく、11日22時に警官だらけの雨の京都を出発。

嵯峨で辰◇を拾う。
眉毛なし。
テラコワス

さらに途中で原Dを拾っていざ四国へ。

阪大毒ビールのせいで発熱していたので、そのまま熟睡。


7時徳島着。
まだ頭痛がする。
学連宿泊ホテル前に車をつけるも相手にされず。
まあ今回の我々は「いい気なOB」なので、そんなピリピリした後輩達を見てにやにや。

射場着。
幹事長・競技審判長が抗議提出、希望者再射
という前代未聞の事態でジュリーは大変そうだ。
そんな中、阪大のI出下を呼び止めて阪大毒ビールについて問いただす。
「アレ飲んだんですか!?」「賞味期限は確か四月くらい…」
 阪大め。殺す。
と『大いなる助走』風に激怒した私は阪大ベースに謝罪と賠償を要求しにいく。
でも阪大四回には笑って相手にされず。
とりあえず上回生の威厳を笠に着て阪大主将に謝罪させて、矛を収める。

パンフにはなぜか関東の平I・Y本両氏からのメッセージが…

あとはひねもすのたりのたりかな。


宿。
下回生はみっちりミーティングをしているらしいが、なにぶん暇人なので、S辻・大学のジャージを着たままの辰◇と徳島の夜の街へ。。。
ゲーセン探してただけだけど。
のつもりが本格的な夜の街に迷いこんでしまい、木屋町程度の広さを想像していたら、予想外の広さに抜けるに抜けられず、清廉潔白な人間な私はいたたまれない気分でキャッチのおじさま方と眼を合わせないように苦慮することに。

とりあえずゲーセンを見つけ、遊んで、帰って、呑む。

全日に続き今回も来てくだすったT脇さん、SS木さん、S藤さんと遊びに行ったK瀧も帰ってきて、突然断髪式が始まる。


寝る。
同じ部屋のはずの原Dがいないのは気にしない…
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(2005/11/12(土) 23:59)

 10minutesolder
起床。
目の奥が痛い。
しかも酷い下痢。
こたつで寝てしまったせいだろうか。
なわけない、昨日の毒ビールのせいだ。
半日布団と便所との往復に費やす。


『10ミニッツオールダー 人生のメビウス』

〈時間というテーマ〉〈10分間という長さ〉〈限られた予算〉〈限られた制作期間〉といった条件で、名だたる映画監督達が挑戦した長編コンピレーションの上巻。
今日は七名中四名を観賞。
・アキ・カウリスマキ『結婚は10分で決める』
・ヴィクトル・エリセ『ライフライン』
・ヴィム・ヴェンダース『トローナからの12マイル』
・陳凱歌『夢幻百花』
ヴィクトル・エリセの『マルメロの陽光』以来10年ぶりの作品が、この10分の短編というのは残念といえば残念だが、今日観た他の三人を遥かに凌駕する傑作。10分という時間の制限がまったく感じられない。あっという間と言われればそうだし、時間が止まったかのようだったと言われればそうも感じられる、「物語の中では、時は時としての役割を果たさない」というこの企画の発端となったシチリアの諺を体現していた。
ちなみにカウリスマキは名前のままの作品で、先日観た『コントラクト・キラー』をそのまま小さくした様な雰囲気。ヴェンダースは麻薬の過剰摂取をしてしまった男が隣町の病院まで幻覚と闘いつつ車をかっとばすという作品、物足りない。陳凱歌は『始皇帝暗殺』『北京ヴァイオリン』が気になっている監督で作品を観るのはこれが初めて。急激な開発で消えていく旧市街へのノスタルジーをユーモアも交えつつまとめていてなかなか。


S辻車で徳島射場へ。
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(2005/11/11(金) 23:59)

 眼散る
授業後、京都国立近代美術館で開催中の『須田国太郎展』へ。
『鵜』
ここの常設展で『校倉(乙)』や『鵜』といった作品を観て、とても気になっていた洋画家。最初期の作品から絶作までを観ることができた。
無理矢理例えるならばピカソの薔薇色の時代を彷彿とさせる色彩・雰囲気が当初より現われており、次第に暗さを増しながら、ついにはその暗さが主体となっていく流れ、その流れとは離れたところで異様な存在感を放つ『鉱山』など、大変楽しめた。
能・狂言のデッサンも多数展示されていて、一番関心したというか「欲しい」と思ったのはこちらかもしれない。

一瞬を最小限の線で定着させる技量は恐れ入る(特に良かったのは「葵上」)。


アキ・カウリスマキ『コントラクト・キラー』

初めてのカウリスマキ。


のどが乾いて久しぶりに冷蔵庫をのぞくと、固形化した牛乳のみ。処分。orz
しょうがないので、全日の時に阪大からもらったビール「阪大生(なま)」を呑む。
マズ過ぎる。
なんか白く濁ってるし(注意書きによると酵母菌なので心配いらないらしいが)、
金属臭が強いしで、いくら阪大体育会自作とはいえ、とても耐えられない。
ふと泡を見ると黒いものまであって血の気が失せる。
瓶の中に指を入れると泥のようなものがべったり。
なんだこれは。
製造日を確認すると削られていた。
なんなんだこれは。


判断停止して寝る。
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(2005/11/10(木) 23:59)

 凍れる音楽
ルネで「新建築」創刊80周年記念『日本の建築空間』を立ち読み。

法隆寺から金沢21世紀美術館まで、「空間」という視点で選ばれた100の建築が緊張感のある写真満載で紹介されている。
京都の建築も数多く載っていたが、特に印象深かったのが角屋。
角屋 扇の間
部屋全体がシックな螺鈿で埋め尽くされた青貝の間が特に有名だが、こんなにモダンな空間があったとは(写真の効果も大いにあるだろうけど)。
香川からも栗林公園と高松城披雲閣が入っていた。栗林公園掬月亭では三方の障子を取り払ってとても優雅な空間が広がり、後者の蘇鉄の間はガラス越しの蘇鉄がなんとも豪放。実家の転居先が栗林公園から歩いて数分らしいので、帰省したらぜひ見に行きたい。
にしても5000円は納得できるが、今は手がでない… orz

アンリ=ジョルジュ・クルーゾー『密告』

「カラス」を名乗る者の手による怪文書によって人々が疑心暗鬼に陥る前半部、中傷の主な対象となって街を去った医師が老心理学者と手を組んで「カラス」探しのサスペンスが繰り広げられる後半部。
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(2005/11/09(水) 23:59)

 自由意志
ルネでCDのセールがやっていたのに遭遇。クラシック系は半額。
浅田彰が微妙に褒めていたのを思い出して、ついついトマス・アデス『20世紀ピアノ音楽のミニアチュア』を持ってレジに並んでいた自分が orz
一聴、演奏には特に不満はないが、選曲が自分とは合わず。繰り返しは聴かないかなぁ。あえてあげればスタンチンスキー『四声のカノン』、ナンカロウ『ウルスラのための三つのカノン』あたりの対位法的な作品が好みだったけれども、クルタークやカスティリオーニの作品は微温的であまり楽しめなかった。それでも現代音楽と聞いてハードコアなものを想像する人には楽しんでもらえるかもしれない。

テリー・ギリアム『バンデットQ』

『STAR WARS』でおなじみイウォーク族の中に入っていた小人軍団が大暴れ。ギリアムも大暴れ。七日の突貫作業で世界が作り上げられたせいでできた時の抜け穴。穴の時代と場所が記載された地図を創造主から盗み出した下働きの下卑な小人たちと、巻き込まれた少年が繰り広げる大冒険!低身長コンプレックスのナポレオン、人のええおっさんなロビン・フッド、いかにもカツラなショーン・コネリー演じるアガメムノン、IT志向の悪魔、ついにはスーツ姿の神様まででてくるぞ!というわけで、『バロン』のように童心に返って観ていたら、最後の最後に両親が消滅してしまった。えええ。
そういえばCMを見る限り『リーグ・オブ・レジェンド』っぽい臭いがプンプンしていた『ブラザーグリム』の監督がギリアムだった。大丈夫だろうか…
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(2005/11/08(火) 23:59)

 生きるのも死ぬのも恐くない
全日はまたおいおい(と言いってた秋関がまだだったりするが…orz)。


学連員としての最後の試合も終わり、妙に爽やかな気分で学校に向かって(!)いると、奇遇にもそーすい。閣下に追突される。授業後の暇をつぶすべくルネに入ると、K内嬢に声をかけられる。二人とも大層驚いていた。まぁ、わからんでもない。


ジョゼフ・フォン・スタンバーグ『間諜X27』

あの有名な「百万弗の脚線美」、それを覆うストッキングを直すマレーネ・ディートリッヒから始まり、その妖しさにうっとり。この作品での彼女には妖艶という言葉がぴったりで、こんなに煙草が似合う女性というのも、そうはいない。
仮面の麗人から田舎娘まで七変化する彼女以外にも、男スパイは笑顔が多少気持ち悪いがかなりダンディだし、情報局の局長、職務放棄する若き士官も魅力がある。騎士姿で現れる仮装パーティー、男スパイとのかけ合い、サーベルを鏡代わりに髪を整え目隠しで処刑号令役の涙を拭いてやるラストも印象深い。オーヴァーラップを使用することで役者に余計な台詞を言わせないところも心憎い。スパイ映画と恋愛映画がコテコテになることなく結びついた稀有な例ではないだろうか。


河原町の拾拾亭で全日メンバーによる打ち上げ。

二時間の焼肉食い放題コースも、ペース配分を間違え、生センマイに苦戦して、三杉くんのごとくハーフタイムでグロッキー。とうとう舟まで漕いでしまって、テンションが揚がりすぎてややすべり気味のとへに怒られてしまう。まぁ、そんな瑣末なことは抜きにして楽しい一夜だった。
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(2005/11/07(月) 23:59)

 十年一日
ヴィクトル・エリセ『マルメロの陽光』

『ミツバチのささやき』『エル・スール』と、10年起きに作品を発表している、超寡作のヴィクトル・エリセ第三作。前二作と違うドキュメンタリータッチの作品ながら、どうしてこの人はこんなに上手いんだろう。


全日本大会ということで、明日から日曜まで消えます。
無事に終わりますように…
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(2005/11/01(火) 23:59)

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